沐浴方法を変更します。
ドライテクニックとは付着した血液や羊水・胎便などを拭き取りできるだけ胎脂を残す方法です。
日本では、古来より「産湯」の習慣がありました。汚れを洗い流し、清め健やかに育つことを願う儀礼的なものです。産まれてすぐの赤ちゃんは、全身に胎脂が付着し病原体や乾燥から肌を守っています。しかし、産湯によりその大切な胎脂が洗い流されてしまいます。ドライテクニックは、この胎脂を残し赤ちゃんの皮膚を保護することができます。
当院では、開院当初より出生当日の沐浴はせずにドライテクニックを行い生後1日目に沐浴を行っていました。
最近の研究では、「ドライテクニックの方が表皮からの水分蒸散量が少なく、バリア機能が低下しなかった。」「沐浴群では肌の炎症も見られ、ドライテクニックの方が良い状態に保たれていた。」と報告されています。
産まれてすぐの赤ちゃんの皮膚は、大人の1/3程度と薄く角質層が成熟するまで2〜3日程度必要と言われています。そこで、今後当院では2日目までドライテクニックを継続し、沐浴はアウトバス法という方法で生後3日目以降行うことといたしました。
アウトバス法とは、バスマット等の上に寝かせ、たっぷりの泡で優しく洗ってあげて、その後しっかりと良くすすいであげる方法です。沐浴というと、お湯をためてその中で赤ちゃんを支えながら洗い、最後にかけ湯をするという手順でした。しかし、赤ちゃんを片手で支えながら片手のみで洗う必要があり慣れないと、産後のお母さんには負担が大きく、また洗い残しやすすぎ残しが多く清潔に保てなかったりと欠点がありました。アウトバス法ではガーゼなどを使わず泡で洗うので、弱い赤ちゃんの皮膚を傷つけることなく、両手を使って首のしわ・耳の後ろ・指の間など細かいところもしっかり洗えます。すすぎもシャワーを使えば便利ですすぎ残しも無くなります。
皮膚に付いた食べ物がきっかけで、食物アレルギーを発症することが分かってきており、肌の健康を保つことが食物アレルギーやアトピー性皮膚炎を予防することに繋がると言われています。
沐浴後は、皮膚の薄い赤ちゃんの肌は、水分がどんどん蒸発し乾燥していくので、すぐにたっぷりと保湿剤を塗ってあげることが大切です。